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ダイポールモード現象

ダイポール モード 現象

近年、世界各国で異常気象が頻発し、社会経済に甚大な被害を与えています。 この異常気象の母胎となっているのが、より時空間スケールの大きい気候変動現象です 数千キロメートル規模の現象が数ヶ月-数年間続く。 インド洋熱帯域の気候変動現象であるインド洋ダイポールモード現象が、地球温暖化に伴い、将来どのように変化するかを予想した研究が、に掲載され、その表紙を飾りました。 ここでは、その内容を簡単に紹介したいと思います。 インド洋ダイポールモード現象とは? インド洋ダイポールモード現象 注1は、インド洋熱帯域に数年に一度発生し、世界各地に異常気象を引き起こす気候変動現象です。 1999年に地球環境フロンティア研究センター FRCGC の気候変動予測研究プログラムの山形プログラムディレクター(当時)、サジ研究員(当時)らが発見しました Saji et al. 1999, Nature。 その名称は、海面水温、外向き長波放射 地表面や雲からの赤外線のエネルギー量で降水量等とも関係が深い 、海面高度偏差 偏差とは平均場からのズレ などがインド洋の東西で双曲(ダイポール)パターンを示すことから名づけられました。 正のイベントは、赤道インド洋南東における負の海面水温偏差と西赤道インド洋における正の海面水温偏差で特徴づけられます 図1左,逆のイベントは負のイベントと定義されています:図1右。 図1:赤色は海表面水温が平年より暖かく、青色は平年よりも冷たいことを示す。 白影はインド洋ダイポールモードが発生しているときに対流活動が強化していることを表し、矢印は海上風向の偏差を表す。 左図が正のダイポールモード現象、右図が負のダイポールモード現象が発達している様子。 注1: インド洋ダイポールモード現象の詳しい解説は以下のURLを参照して下さい。 インド洋ダイポールモード現象が世界各地の異常気象を引き起こす! インド洋ダイポールモード現象は、世界各国の異常気象の原因となり、社会・経済に大きな影響を及ぼします 注2。 正のイベントが発生すると、通常は東インド洋で活発な対流活動が西方へ移動し、東アフリカでは豪雨を、インドネシアでは厳しい干ばつと山火事を引き起こします(図1左)。 1994年の日本の酷暑や、2006年のケニア大洪水、オーストラリア東部の旱魃、ボルネオ域の山火事被害の原因になったと考えられています。 また、正のイベントに伴い東アフリカの降雨量が増大し、マラリア媒介蚊の異常発生したために、1990年代に東アフリカ高地で大規模なマラリア再流行が起こったと考えられています Hashizume et al. 2012, Sci. Rep. また、2006、2007、2008年と三年続いて発生した正のイベントによりオーストラリア東南部は平年よりも異常に乾燥し、2009年に発生したオーストラリア史上最悪の山火事は多くの死者を出しました。 この災害は「黒い土曜日(ブラックサタデー) 注3」と呼ばれています。 その他、台風発生との関連も指摘されています。 例えば、フィリピンを襲った2013年の猛烈な台風30号は、フィリピン東側の海域を含む西太平洋赤道域での高い海水温と活発な対流活動が発生原因の一つだと考えられています。 2013年北半球の夏から秋にかけて、太平洋は弱いラニーニャ現象、インド洋は弱い負のインド洋ダイポールモード現象が発生しており、その二つが複合的に影響を与え、フィリピンやインドネシア海洋大陸での対流活動を平年より強化させていた可能性があります。 注2: 海洋研究開発機構ではSINTEX-F1季節予測システムを開発し、インド洋ダイポールモード現象の発生予測を行い、2006年から世界に情報を提供しています。 注3:乾燥した草木と猛暑により、ビクトリア州内の森林や草地で2009年2月7日に火災が発生、173人が死亡、多数の住宅が焼失し、被災者は2,000人を超えました。 地球温暖化によってインド洋の平均場はどう変化するのか? 地球温暖化に伴い、北半球の秋 インド洋ダイポールモード現象がピークに達する季節 に、インド洋西部の海面水温はインド洋東部の海面水温よりもより上昇する可能性が高くなります。 1900年代以降の観測データや最先端の気候モデルによる地球温暖化シミュレーションの結果を解析すると、インド洋ダイポールモード指数DMI 注4が上昇トレンドを持っていることが確認できます。 つまり、インド洋の平均場 9-11月の平均的な大気海洋の状態 は、正のインド洋ダイポールモード現象が常に発生しているような状態に変化していきます。 近年、正のダイポールモード現象が頻発しているように見えるのは、地球温暖化により平均場そのものが変化していることによる可能性があります。 インド洋熱帯域西部 50E-70E, 10S-10N とインド洋熱帯域東部 90E-110E,10S-0N の海表面水温偏差の差で定義される。 偏差とは平年値からの差。 関連データはからダウンロードできる。 地球温暖化に伴いインド洋ダイポールモード現象自体はどのように変化していくか? 地球温暖化に伴いインド洋の平均場は正のダイポールモード現象が常に起きている状況に変わっていきますが、この平均場からの「ずれ」として見た場合にはインド洋ダイポールモード現象自体はどのように変化していくのでしょうか?複数の最先端気候モデルによる地球温暖化シミュレーションの結果を解析したところ、ほとんどのモデルで、次のような傾向を確認できました。 平均場からのずれとして見た場合のインド洋ダイポールモード現象の発生数や振幅については有意な変化は見られない。 インド洋ダイポールモード現象は一般的に正イベントの方が負のイベントより強い傾向にあるが、その正負非対称性が小さくなる。 更に詳しく解析すると、インド洋ダイポールモード現象にとって重要ないくつかの物理プロセスにも有意な変化が認められました。 平均場の温度躍層が熱帯インド洋で浅くなることで、海表面水温と温度躍層間の熱交換が活発化する傾向にあります SST-Thermocline feedbackの強化。 また、地球温暖化に伴い大気安定度が増すことで、海表面水温の東西勾配と東西風の関係が弱まる傾向になります Zonal wind-Zonal SST gradient feedbackの弱化。 これらの結果はあくまで気候モデルの実験結果を基本場の長期変化と経年的な変動に分離して得られたものであり、その解釈には注意する必要があります。 永年的な正のダイポールモードが発生しやすくなると解釈することもできます。 古気候学の分野では数百万年前の温暖化した地球には永年エルニーニョが発生していた可能性が指摘されています。 インド洋ダイポールモード現象は、数種類の大気海洋結合作用が複合的に影響することで発達・衰退するだけでなく、太平洋からも強く影響を受けるため、非常に複雑な気候変動現象と言えます。 最先端の気候モデルでも、各物理プロセスの相対的な強さやその相互バランスの再現性には不確実性があります。 今後は、インド洋ダイポールモード現象の長期変調の理解を更に深め、その理解に基づき気候モデルを改良し、将来予測の不確実性を低減する必要があります。 アプリケーションラボ 土井 威志.

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気象庁

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今年の雪不足、暖冬の原因は偏西風が日本付近で北に蛇行しているためで、温暖化と無関係です。 偏西風が南に蛇行している中国は厳冬になっています。 近年は豪雪、厳冬の年もあり、平均すると雪不足、暖冬とはいえません。 日本では過去20年、冬の温度はあまり変わっていません。 一般的にはエルニーニョだと、冷夏暖冬となり、ラニーニャだと猛暑厳冬になります。 また、一般的には温度が上がると積雪は減ります。 本州以南では積雪量と北極振動に相関があります。 50年前、60年前は雪が多いモード、1980年代、1990年代は雪が少ないモード、最近は雪が多いモードです。 北海道の積雪量は横ばいのままであり、温暖化とも北極振動とも無関係です。 もう北陸や山陰は雪国ではありません。 まさしく地球温暖化です。 人類が経済活動によって二酸化炭素を排出してきたつけがきてます。 オーストラリアでは大規模森林火災で関東と東北地方分の面積の山林が焼失して、10億頭以上の動物をはじめ、鳥類、爬虫類、昆虫類すべての生物が焼死してます。 多くの動物が生きていけない地球は人類も生きていけないです。 いずれ世界中で大規模森林火災は起こるでしょう。 また他にも温暖化が原因で、豪雨災害、大型台風、猛暑、暖冬、水不足、干ばつ、食糧不良 さまざまな形で人類を脅かします。 この冬の暖冬により山に雪が少ないので、春以降は水不足をもたらし農作物不作、 漁業でもこれまで取れた魚介類、昆布などの海藻類が取れなくなってきてるので。 もう我々は食糧危機は迫ってきてます。

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「ダイポールモード現象」とは

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『ダイポールモード現象』 コロナの猛威で忘れかけていたが、直近の冬は常ならぬ暖冬だった。 相前後してアフリカでは多雨でバッタが大量発生し、豪州では森林火災が広がった。 これらを端的に説明できる気象用語が「インド洋ダイポールモード現象」がそれである。 気象庁の異常気象分析検討会は、昨年末から今年初めの記録的な暖冬について、インド洋の東側と西側で海水温の差が大きくなる「インド洋ダイポールモード現象」が起き、日本付近の偏西風が北側にずれたことなどが要因だとする分析結果を発表した。 インド洋で東部の海面水温が低くなり、西部で高くなる状態を、インド洋ダイポールモード現象と呼ぶ。 検討会によると、昨夏から昨年末に発生し、インド洋西部の上昇気流のために、偏西風の流れが通常よりも南北に蛇行するよう変わった。 日本付近では北側にずれ、南から暖かい気流が入りやすくなった。 さらに、北極付近の寒気が今年1月以降、日本付近に南下しにくくなる現象も重なり、日本周辺で冬型の気圧配置となる日が少なかった。 気象庁によると、昨年12月~今年2月、東日本と西日本の平均気温は平年と比べて2・0~2・2度高く、統計を取り始めた1946年以来、最高を記録。 降雪量も北日本の日本海側と東日本の日本海側で観測史上最少を更新した。 正のインド洋ダイポールモード現象が発生するとフィリピン近海では対流が強まり、日本付近では下降気流が強まり、高気圧が強くなり、猛暑になりやすくなる。 逆に負のダイポールモード現象が発生するとフィリピン近海では対流が弱まり、日本付近では下降気流が弱まり、高気圧が弱まり、冷夏や夏の天候不順などの原因となる。

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